特集:チェコ共和国

2013年01月21日 category:チェコ特集

 Czech Republic

Prague Central station / Twang_Dunga

これが映画のシーンなら
列車が出る寸前になって
待ち焦がれた人がやってくる。
そして積年の誤解は解け
ラストの字幕が流れる頃には
決まってハッピー・エンドだ。

そんな空想に賭けてみようと
いくつもの列車を見送る。
駆け寄る誰かの足音に胸を高鳴らせ
振り返るたびに落胆する。
グレーに染まるプラハの駅で
僕は只々、発車のベルを聞く。

 
 
View of Prague / Peter Curbishley Franz Kafka Museum / Dale Harvey
Krušovice / nyuhuhuu 374.Praga. Arquitectura cubista y rondocubista.jpg / Mataparda

「百塔の街」とも名高いチェコの都、プラハ。この街に染みわたる中世の景観は、たとえどこからの眺めを額に収めたとしても、必ずや名画となるだろう。そして街を貫流するヴルタヴァ(モルダウ)にその姿を映すとき、感嘆の溜息を漏らさずにはいられない。

芸術の門を叩けば、「変身」を著したカフカや画家のミュシャ、作曲家のドヴォルザークやスメタナが迎えてくれる。ホスポタ(ビアホール)に繰り出せば、黄金色に輝くピルスナービールが誰かの喉を鳴らす時を心待ちにしている。もしも旧市街の老舗で、可憐なボヘミアンガラスに心を奪われたとしても、うっとりと見つめ合うほかない。

ハプスブルク家の支配、そして旧ソビエト影響下での社会主義時代を経て、現在の民主化に至ったチェコ共和国。文化の弾圧という屈辱を経験しながらも、ピカソらが編み出したキュビズム(絵画技法)をどの国よりも早く建築デザインに取り入れ、独自に進化させていったという底力の国でもある。そんな誇り高き街並みを、あなたならどんな角度から味わうのだろうか。

豊かな人生のためにできること。必要な人に必要な保険を。

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