【知っていますか?自転車事故の実態】子どもが加害者になるケースも。
2024年09月14日 category:お知らせ自転車は子どもから高齢者まで、誰でも乗れる乗り物ですが、れっきとした車両。ルールの理解不足、あるいはルールを軽視する割合が高く、自転車乗用中の交通事故が、これまでになく問題になっています。道路整備や交通ルールの徹底といった環境整備を急ぐ必要もありますが、子どもが加害者になるケースも多々発生しており、利用する側も、自転車事故の実態を知っておく必要があります。
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自転車は車体が軽量でも、転倒して骨折などの怪我を負うはケースは多く、頭を打ったりすれば、死亡や重篤な障害が残ることもあります。さらに、他者に怪我を負わせた場合、被害者に重度の後遺症が残るなど、賠償が高額となる場合もあります。
被害者に重度後遺障害が残った自転車事故事案の最近の裁判例
<ケース1>
被害者 52歳女性
被害自転車が歩道を走行中、進行方向から来る加害自転車と接触して車道に転倒し、バイクとも衝突。
後遺障害 脳外傷による後遺障害3級
損害額7908万円余 過失相殺認容額 7117万円余
<ケース2>
被害者 77歳女性
歩行者と自転車との事故。歩道上の歩行者に自転車が後方から衝突。
後遺障害 脳挫傷等の要介護状態、後遺障害2級
損害額 6223万円余 過失相殺認容額 4413万円余
<ケース3>
被害者 24歳男性会社員
被害者が自転車で交差点を通過したところで、道路を横断しようとした高校生の自転車と衝突。
後遺障害 後遺障害1級
損害額 1億7244万円余 過失相殺認容額 8900万円余
<ケース4>
被害者 62歳女性
11歳の少年が帰宅途中、マウンテンバイクで坂を下っていたが、散歩していた女性に気づかず正面衝突。
後遺障害 寝たきり
損害額 9500万円余
対人自転車事故は、年齢に関係なく加害者となってしまいます。相手に後遺症が残ってしまうと高額の賠償額ということになり、自己破産を免れないケースも出ています。加害者が自己破産してしまうと、被害者は慰謝料もなく、またその家族も一生苦しみ続けなければならなくなります。
手軽な自転車ですが、ルールを守らず事故を起こせば自動車事故と同じように罰せられますし、損害賠償は、免れることはできません。
自転車事故の実態
画像出典:自転車の安全利用促進委員会
自転車乗用中に事故にあって負傷した人の数をみると、小学生~高校生の若年層がもっとも多いことがわかります。一方、死者数は70歳以上の高齢者が圧倒的に多くなっています。高齢者の場合、事故にあった際に重症化するケースが多いことに起因していると考えられます。
警察庁によると、自転車乗用中の事故では、約3分の2が自転車利用者側の何らかの交通違反が原因となっているということです。国や警察では、自転車利用のルールの徹底を根気強く広報しています。2013年6月に公布された改正道路交通法では、自転車で路側帯を走行する際に進行方向左側の通行を義務づけています。もし右側を通行した場合には、「3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金」の懲罰を受ける可能性も出てきました。ルール遵守の意識が高まることが期待されます。
なくならない「ながらスマホ」「傘さし運転」「イヤホン」
一向に減らないのが傘差し運転、スマホ片手のながら運転、イヤホンをして音楽を聴いたり、誰かと並走し、話しながらという人もよく見かけます。自分は安全に運転しているつもりでも、周りを危険に晒す行為であることを認識する必要があります。
また、歩行者側も、スマホの画面を見ながら歩く「歩きスマホ」で、対向者と衝突したり、駅のホームから落ちたりする事故が相次ぎ、問題となっています。スマホを操作しながら無灯火で自転車走行中、前方を歩いていた女性と衝突、女性に重篤な障害が残ったということで、約5000万円の賠償が命じられたケースもあります。
運転中の携帯電話の使用は自動車だけでなく、自転車に乗る際も、2008年の道路交通法改正で禁止されています。2012年4月以降は、多くの都道府県で、傘差し運転はもちろん、傘を器具で自転車に固定すること、携帯電話・スマホ・イヤホン・ヘッドホンを使用しながらの運転を禁止し、違反すると5万円以下の罰金に処せられます。
自転車を利用する本人はもとより、利用者が未成年の場合は、その責任を負うことになる親御さんも、交通ルールやマナー、罰則などを今一度把握しておくことが大事です。
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