2025.2月号 編集部だより【北欧の蚤の市。私のミラクルあれこれ】
2025年01月26日 category:編集部だよりみなさまこんにちは。
2月号ではありますが、2025年最初は「ヨーロッパの蚤の市」を特集し、スタートいたしました。今年もTRAVEL-MODEをよろしくお願いします。
さて、みなさんは海外の蚤の市に行ったことありますか?わちゃわちゃと商品盛りだくさんのカオス中、これだ!という素敵なものを見つけた時の喜びは一入です。私は、20年ほど前、バイヤーとして北欧各地の蚤の市を駆け巡っていた頃がありました。開始した当時は、ネットでも雑誌でも北欧の情報はほとんどなくて、勘と運任せで開催中の蚤の市を発見したこともあるし、まるで奇跡を呼び起こしたような体験も何度もあります。導かれている時って、そうでしょう?
例えばヘルシンキでは、アラビア(アラビアファクトリーは、フィンランド観光の定番訪問先:現在はイッタラになっている)へ行くつもりでトラム6番に乗ったはいいが、逆方向に乗ってしまい、そのおかげでヘルシンキでは最も大きな蚤の市「ヒエタラハティ」を発見!質も量も私にとってはお宝満載で、トラムが勝手に宝島に連れていってくれたようで、飛び上がるほど歓喜しました。「ヒエタラハティ」で大満足の買い物を終え、今度こそ、アラビア方面の6番に乗ると、目的地の手前で今度は、「ハカニエミマーケット」で、蚤の市が開催されている所に遭遇しました。ヘルシンキのトラム6番は、ゴールデン路線だと今でも思っています。またある時は、私の知らない所で、小さな教会のバザーに、私がちゃんとたどり着けたか、そっと見守ってくれていた人がいたことを後で知ったという出来事もありました。教会を教えてくださった女性が、ご主人に連絡をし、ご主人が車で様子を見に来てくださっていたのです。今思い出しても、心が温かくなり感謝いたします。
また蚤の市の情報皆無のまま到着したオスロでは、ホテルのフロントの人に手がかりを聞いたりしましたが、私が想像する蚤の市とは少し違っていたりして、最後は私の嗅覚と言いますか勘で、「たぶんこっちだと思う!」「なんとなく、あの高架の下辺りとか、蚤の市くさい!」など、全く根拠もないのに、目に見えない情報を私のセンサーが捉え、本当に開催中の蚤の市を発見したこともあります。
買い付けたものを即座に梱包するかつての私
コペンハーゲンでは、私のもうひとつの家族と言える人たちと知り合い、あちらこちらの蚤の市に連れていってもらいました。ちなみにコペンハーゲンで一番大きな蚤の市は「フレデリクスベア」。気候の良い夏の期間は、屋外で賑やかに開催され、冬は室内で開かれるので、一般の観光客の目に止まることはないけれど、クリスマス前になると出品数も内容も素晴らしく豊富です。プレゼントを買うにしても、クリスマスのオーナメントをコレクションするにしても、打ってつけの場所なのです。
買い付けを手伝ってくれていた友人。私の買い物を待つ間、
モグラの毛で出来たシルクハットを見つけたと言ってご満悦。
とっても似合っていますね。
私個人的に「蚤の市」で購入したものは、今でも大切にしています。コペンハーゲンで購入した鮮やかなオレンジ色の鋳物の片手鍋。鍋の取手部分が木で出来ていて、全体的なフォルムやデザインは、ミッドセンチュリーのもの。このお鍋でいつもご飯を炊いています。120年くらい前のロイヤルコペンハーゲンの長方形のお皿は、とても気に入って、ヘビーユースしている内に、ヒビが入っているのを見つけてしまい、今は割れないようにしまってあります。他にも、100年以上前の誰かのお嫁入り道具だったであろうイニシャルの入った丈夫なリネンや、バウハウス由来のグラスであったりと、その時一目惚れして連れて帰った宝物たちは、今では私の部屋に馴染んで鎮座しています。
誰かが使っていたものだからこそ出てくる味わいは、新品では得られない深みを感じます。愛着が育てた逸品なんですよね。それを少しずつ自分の暮らしに馴染ませていく。そんなフィーリングバッチリの食器や道具と出会えるから、みんな蚤の市が大好きなんだと思います。
混雑していてスリが多いと聞くと、一般的な観光では、なかなか勇気がいりますが、意識が「スリ」でいっぱいになってしまうとせっかくの蚤の市が楽しめず、掘り出し物を探し当てる集中力がなくなってしまいます。楽しむことも忘れずにお出かけくださいね。
それではまた来月〜
(編集部anan)
投稿2025.2月号 編集部だより【北欧の蚤の市。私のミラクルあれこれ】は三井住友海上 海外旅行保険の最初に登場しました。