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中央リスクコンサルタントからのお知らせ
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╋■┛ 保育サービスの展開を図る(企業主導型保育事業)①
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昨年、スイスの国際機関「世界経済フォーラム」が、経済、教育、健康、政治の
4分野における男女平等の度合いを国ごとに数値化した「男女格差報告(世界ジェ
ンダー・ギャップ報告書2017)」を発表しました。
そのランキングで日本は144ヶ国中114位。男女平等について日本が世界から
大きく後れをとっていることを改めて認識させられる結果となりました。
現在の安倍政権においても「女性活躍の推進」は最重要課題の一つとして位置づ
けられています。「2020年までに指導的地位の女性の割合を30%にする」と
いう目標も掲げられています。しかし、ある新聞記事によると、国会議員に占める
女性の割合は13.7%、国家公務員の管理職(課長級以上)では4.3%、民間
企業では12.1%(共に2016年度)であり、目標達成には遠く及ばないのが
現状のようです。
「女性活躍の推進」が思うように進まない大きな要因として、結婚や出産を理由
に離職する女性が多いことが挙げられています。以前、待機児童の問題を取り上げ
た際にも述べたと思いますが、日本の女性の就業率は、子育て世代である30~
40代において低くなることで、「M字カーブ」を描くという特徴を持っています。
欧米の先進諸国では、このような「M字カーブ」の傾向は見られないそうです。
こうした状況を打破すべく、企業としても、女性が出産や育児を理由に離職しな
いですむ職場環境を早急に整備していかなくてはなりません。実際、長時間労働の
抑制や男性の育児参加の推進といった対策が多くの企業で進められています。そう
したなか、今、「企業主導型保育事業」という制度を活用し、自ら保育所を設置す
るという企業の取り組みに大きな注目が集まっています。
「企業主導型保育事業」とは、国(内閣府)が2016年度より開始した取り組
みで、多様な働き方に応じて、企業が従業員のために自ら保育所を設置・運営する
ことを助成する制度です。多様な働き方に対応した保育サービスを拡大させること
で、待機児童の解消を図り、仕事と子育てとの両立を支援することを目的としてい
ます。
この「企業主導型保育事業」を活用して、企業が従業員の子供を預かるために設
置した保育施設のことを「企業主導型保育所」と言います。位置づけとしては「認
可外保育施設」に分類されますが、一定の条件を満たして都道府県に届け出をすれ
ば、「認可保育施設」並みの助成を受けることができます。「企業主導型保育所」
の主な特徴としては、以下のような点が挙げられます。
〇多様な働き方に対応した保育サービスが提供できる。
(延長、夜間、休日、短時間など)
〇複数企業による共同設置、共同利用が可能。
〇地域住民の子供の受け入れも可能。地域枠を自由に設定できる。
(定員の50%以内)
〇一定の条件を満たせば、認可保育施設並みの運営費や設備費の助成が受けられる。
〇設置の際などに自治体(市区町村)の関与を必要としない。
利用者と直接契約が可能。
〇設置後、運営を保育事業者等に委託することも可能。
〇駅の近くや社宅の近くといった本社所在地以外の場所でも設置できる。
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このように、企業や従業員にとって魅力的なメリットも多く、また、地域貢献に
も繋がります。現在、女性従業員の多い病院や社会福祉施設、中小企業などを中心
に、この制度を活用して保育所を設置する動きが顕著となっています。企業の人手
不足や働き方改革の推進などを背景に、今後も企業のこうした動きが加速すること
は、十分に考えられると思います。(次回に続く)
(参考:公益財団法人 児童育成協会「企業主導型保育事業ポータルサイト」)
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中央リスクコンサルタント
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※掲載内容は、2018年02月14日時点での法律等をもとに作成したものです。
投稿【お役立ちコラム】保育サービスの展開を図る(企業主導型保育事業)①は三井住友海上 海外旅行保険の最初に登場しました。