cornice / zoetnet
狭いアパルトマンを住処にして
人生で2度目の学生を始める。
僕はカンバスに向かいながら
ときどきパリの空を眺める。
水曜日には、あの人が通る。
夕刻の君は足早に通り過ぎ
こちらを見上げることはない。
僕は今日もそんな瞬間を待ち
窓辺のアイビーに思いを注ぐ。
1区を中心に、渦巻を描きながら時計回りに20区までが並ぶ街、パリ。
凱旋門やエッフェル塔、そして街角で語り合う恋人達・・・。パリとはそんな印象の街である。海外旅行の始まりが「憧れ」だという人の中には、パリという街の存在が、いかに偉大だったかを力説する人も多い。
オープンカフェで長い脚を組むパリジェンヌは、優雅という言葉の代表選手である。固いパンも、フランスという名が付いた途端に味わい深くなり、ごく少量の料理を円盤のような大皿に乗せたとしても、フレンチの世界で皿の余白を無駄だと批判する者など誰もいない。
それが、世界の美をリードするパリの特権であり、そんな街を多くのファンが望んできた。
しかし、世界各国の魅力的な地を訪れる機会が増えた昨今、パリにシビアな目を向ける旅人も少なくない。治安の悪化やホテル従業員の接客態度など、この街ではホスピタリティへの不満が噴出する傾向にある。麗しき街として持ち上げられてきた末の悪評。なんとも皮肉な話である。
そんな中、フランス観光局や商工会が対策に乗り出した。世界各国からの観光客の国民性に合わせたコミュニケーション方法をマニュアル化し、レストラン等のサービス業従事者に配布しているのだという。果たして日本人は、どう接客されるのであろうか。
次の時代に突入したフランス・パリ。憧れだけではない、更なる魅力を探しに行くときである。
今回は、フランス在住の近藤陽子さんのレポートより、パリのアフリカ街をご紹介します。
パリは、各国からの移民が多い街です。パリを上空から見ると、ちょうど東側一帯に移民街が広がっています。移民街は、3区にはユダヤ人街、10区はインド人・パキスタン人街、13区はアジア人街・・・といった具合に、区ごとに特徴があるものの、明確に区切られているわけではなく、パリの街に溶け込んでいます。
今回、近藤さんにご紹介頂いたアフリカ人街は、アラブ人街と共に18区に位置しています。そこは、パリということを一瞬忘れてしまうほどに、アフリカの香りが漂う街。写真の鮮やかな黄色は何だかご存知ですか?これは「アロコ」というアフリカの食べ物です。バナーヌ・プランタンと呼ばれる、甘さの少ない調理用のバナナを使って、バームオイルで揚げた(炒めた)名物なんだそうです。
近藤さんは、フランスでアフリカ・カカオのフェアトレード活動に従事されていることもあり、アフリカ文化の中でも、やはり「食文化」に一番惹かれるとのこと。コートジボワール在住時によく食べていたという「アチェケ」という食材(キャッツサバの粉を蒸したもの)も、このアフリカ人街で見つけたそうです。これは現地と同じような雰囲気で、ビニール袋に入れて店頭に並んでいるそうです。
アフリカ街の場所は、18区のMétro4番線Château Rouge Poulet通り、Doudeauville通りの周辺です。ありきたりの観光地に飽きたら、パリに居ながら各国文化が味わえる移民街めぐりをご検討されるのも、面白いかもしれません。
意外と知らない!パリのホテル事情
2013年11月13日 category:パリ特集パリでの宿泊。ファミリーに思わぬ難題が!!
この夏、ご家族でヨーロッパ各国を旅行されたMiさん。フランス・パリのホテルで宿泊の際に、困った事態が発生してしまいました。宿泊の予約は確実に出来ていたのですが、いざホテルを訪れてみると、大人2名・小学生の子ども2名の計4名の家族が、ひとつの部屋には泊まれないというのです!
実は、パリの多くのホテルでは、大人に小さな子供が加わる場合であっても「2ベットルームには2名まで」という厳しい制限があります。これは消防法の関係で1部屋に宿泊できる人数が厳しく規定されているからなのです。安全のためのルールとはいえ、家族が一部屋に泊まれないとは、びっくり。急遽お部屋を追加して、分かれて泊まったそうです。
一人旅や夫婦だけの旅行では、なかなか気付くことのできない宿泊事情です。家族旅行などお子様連れでの旅をご計画なさる場合は、ぜひ参考になさってくださいね。