Far de Capdepera / *Light Painting*
「情熱」と聞いてスペインを連想するのは容易なことだ。
この国には、カンテホンド(深い歌)で魂を語るといわれる舞踊フラメンコがあり、まばゆい灼熱の太陽がある。世界有数のビーチや何千人もが集うフェスティバルもある。この国から沸き出でる熱を、情熱という言葉で表現しない理由が見つからない。ただ、スペインの情熱は、それだけではない。
「はなのすきなうし」という物語をご存知だろうか。スペインの牛フェルジナンドは、幼少期から花の匂いをかぐこと好み、しずかに木の下に佇んでいるような牛である。他の仲間のように、飛び跳ねて暴れまわることもない。そんなフェルジナンドが闘牛場に連れて行かれ…ということで物語は展開する。
この物語には、穏やかでのんびりした空気が流れる。フェルジナンドの母も「もののわかった牛」として、心配しながらも彼を見守る。終始一貫したフェルジナンドの生き様が、花の香りをかぐという、どこか間の抜けた彼の姿を、しずかな情熱家として映し出しているのだ。
2014年は、画家エル・グレコの没後400年を記念するスペイン。『三位一体』や『羊飼いの礼拝』などの宗教画で知られるグレコもまた、ミケランジェロの絵画を酷評したことでスペインに来たという、情熱的なエピソードを持つ男である。
黄色いトマトのガスパチョ
Yellow Tomato Gazpacho / krossbow
数あるスペイン料理の中でも、夏に食べたくなる料理が、あの冷製の野菜スープ、ガスパチョです。日本でもよく知られているのは、トマトが入った赤いガスパチョですが、元祖と呼ばれるものは、貧しい人でも入手しやすい食材(パン、にんにく、オリーブオイル)だけで作られていたようです。発祥は、太陽の眩しいアンダルシア地方。写真は黄色いトマトを使ったピューレ状のガスパチョですが、角切り野菜がゴロゴロ入ったポルトガル風のガスパチョというのもあるようです。トマト・たまねぎ・ピーマン・きゅうりなどの野菜がふんだんに使われた、食べるというより、飲むサラダです。美食続きの旅路に、たまにはヘルシーなチョイスをいかがでしょうか?
サンタクララ修道院と秘密の扉
2014年05月19日 category:スペイン特集今回は、マドリッド在住のmiyukifoodさんの、レポートより、スペイン・トルデシリャス(Tordesillas)をご紹介します!
ペンションで、ゆっくりしたい旅だったけど、子連れに厳しい宿だったということで、朝から観光に出られたmiyukifoodさん。そこで訪問されたのが、トルデシリャスという街です。
ちょっと耳慣れない地名ですが、西暦1300年から1400年頃を舞台にした漫画『アルカサルー王城』の舞台になっているとのこと。最近、ご友人にその漫画を借りてハマってしまったというmiyukifoodさん。寝る間も惜しんで読んだというだけあって、この地をかなり興奮して楽しまれたようです。
そんなトルデシリャスは、観光業を中心にした街です。このサンタクララ修道院は、ファナ(カスティーリャ女王)が幽閉された場所として知られ、ツアーでの見学が可能です。この修道院の片隅にあるのが、秘密の扉です。なんともミステリアスなネーミングですが、ここからなんと「お菓子」が買えるんだそうですよ。
秘密という響きからでしょうか。「なんだか悪いことをしているみたい」と思ってしまったというmiyukifoodさん。ちょっと分かるような気がしますね。ご訪問の際には、少し勇気を出して、お菓子を買ってみませんか?