特集:スペイン

2014年05月19日 category:スペイン特集

 Far de Capdepera

Far de Capdepera / *Light Painting*

スペイン国旗

 

 

「情熱」と聞いてスペインを連想するのは容易なことだ。

 

この国には、カンテホンド(深い歌)で魂を語るといわれる舞踊フラメンコがあり、まばゆい灼熱の太陽がある。世界有数のビーチや何千人もが集うフェスティバルもある。この国から沸き出でる熱を、情熱という言葉で表現しない理由が見つからない。ただ、スペインの情熱は、それだけではない。

 

「はなのすきなうし」という物語をご存知だろうか。スペインの牛フェルジナンドは、幼少期から花の匂いをかぐこと好み、しずかに木の下に佇んでいるような牛である。他の仲間のように、飛び跳ねて暴れまわることもない。そんなフェルジナンドが闘牛場に連れて行かれ…ということで物語は展開する。

 

この物語には、穏やかでのんびりした空気が流れる。フェルジナンドの母も「もののわかった牛」として、心配しながらも彼を見守る。終始一貫したフェルジナンドの生き様が、花の香りをかぐという、どこか間の抜けた彼の姿を、しずかな情熱家として映し出しているのだ。

 

2014年は、画家エル・グレコの没後400年を記念するスペイン。『三位一体』や『羊飼いの礼拝』などの宗教画で知られるグレコもまた、ミケランジェロの絵画を酷評したことでスペインに来たという、情熱的なエピソードを持つ男である。

 

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