岩の音響!テンペリアウキオ教会

2013年09月09日 category:フィンランド特集

Temppeliaukio Church
Temppeliaukio Church / Jorge Lascar

音にこだわりのある人間なら、一度は訪れたい場所がある。

ありふれた観光地に飽き飽きし、少々の眺めではびくともしないような旅人でも、ここでは思わず鳥肌を立てる。

それはフィンランドのヘルシンキ中心部にある、福音ルター派のキリスト教会、テンペリアウキオ教会だ。ご覧のとおり、岩盤をくりぬいて造られたという珍しい教会で、別名はロック・チャーチ。スオマライネン兄弟の設計で1969年に完成した。銅版の天井と岩壁の間をぐるりと囲む180枚のガラス窓からは、自然光がゆるやかに入り込む。祈りを捧げる誰もが、この光にありのままの姿を照らし出される。

そんなテンペリアウキオ教会では、岩壁を用いた室内の音響に定評があり、世界中から耳の肥えた人々が訪れる。一説によると、岩を剥き出しにしたままの内装は、指揮者など音響の専門家からの助言もあったという。写真の左手に見えるのは、教会自慢のパイプオルガン。フィンランドが誇る現代建築というだけでも一見の価値があるが、できることならコンサートに合わせて訪れたい教会だ。

教会ということを考えると当然かもしれないが、この教会は住宅街の中に建つ。見どころとして、周辺の街並みとのコラボレーションを挙げる人も少なくない。街歩きの途中で耳を澄ませる・・・。豊かな旅路には、そんな瞬間があってもよいのではないだろうか。

 
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